たとえ幼児でも、小学1年生でも、
ロシアンメソッドのレッスンでは、子どもたちを「音楽家」として育てるという視点が貫かれています。
一曲が上手に弾ければそれでいい。
コンクールで入賞すれば安心。
音高・音大に受かれば成功。
たしかに、そういった“目の前の成果”はモチベーションにもなるし、努力の証としてとても大切なこと。
でも、ロシアンメソッドが教えてくれたのは、もっと長い目で「音楽家の人生そのものを育てていく」レッスンたとえ幼児でも、小学1年生でも。
ロシアンメソッドのレッスンでは、子どもたちを「音楽家」として育てるという視点が貫かれています。
一曲が上手に弾ければそれでいい。
コンクールで入賞すれば安心。
音高・音大に合格すれば成功。
もちろん、そういった“目の前の成果”はモチベーションにもなるし、努力の証として大切なものです。
でも、ロシアンメソッドが私に教えてくれたのは、もっと長い目で見た「音楽家としての人生」を育てるというレッスンのあり方でした。
焦らず、でも確実に。
どんな曲にも通用する基礎力を身につけること。
その上で、自分だけの音を見つけ、表現を深めていくこと。
コンクールで勝つことがゴールではなく、
自分の音楽を、一生かけて探求していく人に育てていく。
そんなレッスンが、ここにはあります。
そして今、少しずつ時代の流れも変わってきたと感じています。
これまでは、「〇〇コンクールで優勝!」という肩書きや、
大物アーティストからのお墨付き、プロデューサーの目に留まる——
そんな特別な才能や“運”がなければ、表舞台に立つのは難しい時代でした。
けれど今は、YouTubeやSNSを通じて、まだ無名の奏者にも光が当たるようになりました。
自分の音楽を、自分の言葉で発信し、それを「いい」と感じた人たちが自然に広めていく。
そんな流れが、音楽の世界でも当たり前になってきたのです。
「誰かに評価されたからすごい」ではなく、
「自分が良いと思うものが良い」。
そんな価値観が、少しずつ広がってきました。
今では、“自分の推し”を大切にする人が増えています。
誰かのお墨付きではなく、自分の感性で音楽を選ぶ。
そんな時代に変わりつつあることを、とても頼もしく感じています。
SNSがブームになり始めた頃は、派手なパフォーマンスや“映え”が注目されていました。
けれど今、SNSが日常に溶け込み、誰もが情報を選べる時代になったからこそ、
人々の目は少しずつ「本質」へと向かっているように感じます。
自由な表現には、必ず確かな技術が必要です。
それを育てるのが、私たち指導者の役割。
このことは、クラシックに限らずJ-POPの世界でも同じです。
YOASOBI、Official髭男dism、Mrs. GREEN APPLE、King Gnu——
彼らが長く愛されているのは、単なる“人気者”だからではありません。
その音楽の背景には、必ず高度な技術と深い表現力がある。
だからこそ、時代を越えて、多くの人の心に響くのだと思います。
目先の結果にとらわれず、
音楽という長く豊かな旅を、共に歩んでいけるレッスンを。
これからも、ていねいに大切に続けていきたいと思っています。