ピアノコンチェルトに出演します③

指揮者のレッスンで変わった「音楽の作り方」

3回目は、指揮者の先生によるレッスンでした。

これまでのレッスンとは、また違う視点。

一言でいうと、「音をどう弾くか」ではなく、「音楽をどう作るか」という時間でした。

レッスンの中で、とても印象的だった瞬間があります。

先生が隣で、ほんの少し指揮を振ってくださったとき。

それだけで、オーケストラが見えたんです。

音はピアノだけなのに、弦の動きや、呼吸や、流れが、すっと立ち上がってくる。

今まで“想像しようとしていたもの”が、一気にリアルになった瞬間でした。


そして何度も言われたのが、

「同じように弾かないで。違いを見せて」

同じフレーズが続くところでも、ひとつひとつに意味や変化を持たせること。

さらに、「左手の8分音符は全て色を変えて」という言葉も印象的でした。

それまで私は、質感のようなものを揃えようとしてしまっていました。

でも本当は、ひとつひとつの音に役割があって、流れの中で意味を持っている。

そこに気づいた瞬間、音楽の見え方が少し変わりました。


そして、何度も言われたのが

「体を使って弾くこと」

リズムが生き生きとしている時、音楽が面白くなる時、私は無意識に体を使っていたそうです。

逆に、うまくいかない時は、手だけで弾いている状態。

「体が動き始めると、音楽が歌い出す」

この言葉はとても印象的でした。


もうひとつ大きかったのが、テンポの捉え方です。

ピアニストとしてのテンポと、オーケストラのテンポは違う。

ほんの少しの“隙間”や“ズレ”が、アンサンブルでは大きく影響する。

でも逆に、それを一瞬で修正できるのは強みだとも言っていただきました。


そしてレッスンの後半で言われたことが、今回一番心に残っています。

「作業にならないで」

ピアノは、音も多くて、やることも多くて、どうしても“こなす”演奏になりやすい楽器。

でも、それでは音楽ではなくなってしまう。

「最後は、自分を信じること」

この言葉が、とても深く残りました。


さらに印象的だったのは、

「つまらないと思ったら、自分で変えていい」

ということ。

与えられたものをただ弾くのではなく、自分で面白くする。

自分の中でワクワクを見つける。

それが音楽なんだ、と。


今回のレッスンを通して感じたのは、

コンチェルトはただ“合わせる”ものではなく、
自分の音楽を持って、そこに関わっていくものだということ。

そして、

音を正しく弾くことと、
音楽として生きていることは、
まったく別の次元の話だということ。


まだまだできていないことはたくさんあります。

でも、「どう弾くか」から「どう音楽を作るか」へ。

視点が変わった気がしています。

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