ピアノコンチェルトに出演します④

オーケストラとの“はじめての音”

いよいよ、オーケストラとの初合わせでした。

ここまで、ひとりで練習し、
2台ピアノで合わせ、
指揮者の先生から音楽の作り方を教わってきました。

そしてオーケストラとの合わせ!

最初の音が鳴った瞬間、空間が一気に変わる。

音が、前からも、横からも、後ろからも届いてくる。
その中に、自分の音を置いていく。


実は、コンチェルトは今回で2回目です。

前回よりも落ち着いて臨めた部分もありましたが、感じていることは、まったく違いました。


今回強く感じたのは、

「一緒に弾く」という感覚。

そして、

「オーケストラが応えてくれる」ということ。

こちらが出した音に対して、ちゃんと音が返ってくる。

それがとても新鮮で、同時に、とても嬉しい感覚でした。


そしてもうひとつ。

前日に、指揮者の先生のレッスンを受けていたことも、とても大きかったと思います。

音の作り方だけでなく、音楽の方向や呼吸を共有できていたことで、どこか“心が通っている”ような感覚がありました。

言葉にしなくても、同じ方向を見ている。

だからこそ、「あ、今通じた」と感じる瞬間が生まれたのかもしれません。


もちろん、まだ全体としては手探りの部分も多く、オーケストラの皆さんも、それぞれ探りながら音を出しているような空気がありました。

でもその中で、なんとなく見えてきた“共通言語”。


録音を聴いてみると、課題もたくさんあります。

リズム、バランス、音の精度。

でもそれ以上に、

「一緒に音楽を作り始めた」

という実感の方が強く残っています。


アンサンブルって、やっぱり信頼関係なのかな、と感じました。

でもそれは、最初から出来上がっているものではなくて、一緒に音を出しながら、音でコミュニケーションをとることで生まれていくもの。

「ちゃんと聴いてくれている」
「こちらの音に応えてくれる」

そんなやり取りの積み重ねで、少しずつ“通じる感覚”が育っていく。

自分を信じる。
オーケストラを信じる。
指揮を信じる。

そして何よりも、
その場に鳴っている音を信じる。


そういえば最近、レッスンでよく生徒さんに伝えていることがあります。

ミスタッチしたり、音がうまく鳴らなかったとき、「がっかりしないでね」って。

その代わりに、

「今のは、心のきれいな人にしか聴こえない音が鳴ったと思って」

と伝えています(笑)。

もちろん、ちゃんと練習は必要だけれど。

でも、音を怖がったり、間違いに引っ張られてしまうよりも、今鳴っている音を信じて、そのまま音楽を続けていくことの方がずっと大切。

コンチェルトも、きっと同じ。

完璧に弾くことよりも、その場で生まれる音を信じて、前に進んでいくこと。


ひとりで弾いていた音楽が、少しずつ外に開いていく。

そして、誰かと一緒に変わっていく。

コンチェルトの面白さを、改めて感じた時間でした。

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